イマージョンラーニングとは?英語イマージョンのやり方・始め方
2023.07.30読了目安時間:18分
執筆:CHADSくん(CHADS共同創業者・トリリンガル)
最終更新:2026年7月26日
英語を何年も勉強してきたのに、実際の会話になると聞き取れない。知っているはずの単語も、口からすぐに出てこない。
そんな悩みを持つ人に知ってほしいのが、イマージョンラーニングという英語習得のアプローチです。
イマージョンラーニングとは、英語を「勉強する対象」に限定せず、動画、ポッドキャスト、読書、ゲーム、SNS、会話などを通じて日常的に英語に触れ、大量のインプットから英語を習得していく方法です。
ここでいう「インプット」とは、英語を聞いたり読んだりして、脳に英語の情報を取り込むことです。
学校の授業を英語で受ける「イマージョン教育」と、大人が自分の生活の中で行う「英語イマージョン」は、考え方としてはつながっています。ただし、まったく同じものではありません。
この記事では、学校教育ではなく、日本に住む大人が独学で行う英語イマージョンに焦点を当てます。
初心者でもできるのか。字幕は必要なのか。一日に何時間やればいいのか。インプットだけで話せるようになるのか。
CHADSが長年考えてきた英語習得のフレームワークを使いながら、できるだけ具体的に解説します。
この記事の要点
- イマージョンは、留学しなくても日本で実践できる。
- 初心者、中級者、上級者では、適切なコンテンツや字幕の使い方が異なる。
- インプットは英語習得の中心だが、基礎学習やアウトプットも必要。
- 一日何時間という絶対的なルールはない。継続できる量から始めることが重要。
- 英語学習への集中度には波がある。毎日完璧に続けることより、長期的に戻ってくることが大切。
目次
- イマージョンラーニングとは?
- 英語イマージョンで身につくこと
- イマージョンだけでは足りない理由
- CHADSが考える英語習得の4つの領域
- 初心者・中級者・上級者でやり方はどう変わる?
- 英語イマージョンの具体的な始め方
- 字幕はあり・なし、どちらがいい?
- 一日何時間やればいい?
- イマージョンが失敗する主な理由
- 上達しているか確認する方法
- よくある質問
- 7日間で始める英語イマージョン
- まとめ
- CHADSについて
イマージョンラーニングとは?
イマージョンは、英語の「Immersion」から来ている言葉です。日本語にすると、「浸る」「没頭する」「浸す」といった意味になります。
言語学習におけるイマージョンとは、英語を教科書の中だけで学ぶのではなく、日常生活の中で英語を使い、英語に触れる環境を意識的に作ることです。
たとえば、次のような活動が英語イマージョンに含まれます。
- 興味のあるYouTube動画を英語で見る
- 通勤中に英語のポッドキャストを聞く
- NetflixやAmazon Prime Videoで英語の作品を見る
- 英語でゲームをする
- 英語圏のSNSアカウントをフォローする
- 英語で本やニュースを読む
- オンライン英会話やAI会話ツールを使う
- 外国人の友人や同僚と英語で交流する
イマージョンというと、海外に住み、朝から晩まで英語だけを使う生活を想像する人もいるでしょう。
もちろん、海外生活は強力なイマージョン環境になり得ます。しかし、海外に住んだからといって、必ず英語を習得できるわけではありません。
海外にいても、日本人同士で過ごし、日本語の動画を見て、日本語だけで生活していれば、英語への接触量はそれほど増えません。
反対に、日本に住んでいても、毎日のメディア、娯楽、勉強、会話の一部を英語に変えれば、自分で英語環境を作ることができます。
英語イマージョンの本質は、「どこに住んでいるか」ではなく、「日常生活の中でどれだけ英語と関わっているか」です。
イマージョン教育との違い
「イマージョン教育」は、数学や理科などの教科を、学習対象となる外国語で教える教育方法です。たとえば、日本人の子どもが算数や社会を英語で学ぶ場合などが該当します。
一方、この記事で扱う「大人の英語イマージョン」は、学校のカリキュラムではありません。
自分の興味、生活時間、現在の英語力に合わせて、日常の中に英語を組み込んでいく自主的な習得方法です。
イマージョンは、ただ英語を聞き流すことではない
英語が流れている環境にいるだけで、すべての英語が自動的に身につくわけではありません。
内容をある程度理解し、状況と英語の意味を結びつけ、同じ表現に何度も出会うことで、少しずつ英語のパターンが脳に蓄積されます。
そのため、イマージョンには大きく分けて、次の2種類があります。
- 能動的なイマージョン:内容に集中して動画を見る、文章を読む、分からない表現を確認する。
- 受動的なイマージョン:家事や移動をしながら、英語の音声を背景で流す。
受動的なイマージョンにも、英語の音やリズムに慣れるという価値があります。ただし、受動的な聞き流しだけを続けても、意味の理解は十分に育ちません。
基本的には、能動的なイマージョンを中心にして、受動的なイマージョンを補助として使うのがおすすめです。
英語イマージョンで身につくこと
イマージョンの大きな利点は、英語を単語帳や文法問題の中だけではなく、実際の状況や文脈の中で経験できることです。
たとえば「That makes sense.」という表現を、単語帳で「それは理にかなっている」と暗記するだけでは、実際の会話でいつ使えばよいか分かりにくいかもしれません。
しかし、YouTubeやドラマの中で、人の説明を聞いた相手が「That makes sense.」と反応する場面を何度も見れば、言葉の意味だけではなく、使われるタイミング、声のトーン、会話上の役割まで理解できるようになります。
英語イマージョンを続けることで、特に次の能力が育ちやすくなります。
1.英語を日本語に訳さず処理する力
初心者のうちは、英語を聞くたびに日本語へ翻訳しようとすることがあります。
しかし、実際の会話は速く進むため、すべてを日本語に訳していては追いつきません。
同じ単語や表現に、映像、状況、声のトーンと一緒に何度も出会うことで、英語と意味が直接結びつきやすくなります。
2.単語や文法のパターンを直感的に理解する力
文法規則を説明できなくても、「この言い方のほうが自然に聞こえる」と感じることがあります。
これは、脳が大量の英語から規則性を学習しているためです。
文法学習が不要になるわけではありませんが、実際の英語に大量に触れることで、教科書で学んだ規則が現実の言葉として結びついていきます。
3.自然なスピードや発音に慣れる力
教科書の音声は、比較的はっきりと発音されます。
一方、現実の英語では、単語同士がつながり、音が省略され、話者によってアクセントや話す速さも異なります。
多様な英語を聞くことで、少しずつ「知っている単語なのに聞こえない」という問題を減らしていけます。
4.文化やコミュニケーションの感覚
言語を身につけることは、単語と文法を覚えることだけではありません。
冗談の言い方、意見の伝え方、話題の変え方、相手への配慮、反対意見の出し方など、コミュニケーションには文化的なパターンがあります。
英語圏のコンテンツや会話に触れることで、言葉の裏にある前提や反応の仕方も学ぶことができます。
英語のインプットについて、より詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
イマージョンだけでは足りない理由
ここは非常に重要です。
面白い英語コンテンツを大量に見ていれば、ある日突然、何の練習もせずに完璧な英語が話せるようになる。
イマージョンは、そのような魔法ではありません。
インプットは、英語を理解し、語彙や文法のパターンを蓄積するために不可欠です。しかし、英語を理解できることと、自分の言葉として瞬時に使えることは同じではありません。
たとえば、動画の中で聞けば理解できる表現でも、会話中に自分で使おうとすると出てこないことがあります。
この差を埋めるには、次のような活動が必要です。
- 発音や英語の音の仕組みを学ぶ
- 基礎的な語彙や文法を整理する
- 英語音声に重ねて話す
- 短い文章を自分で作る
- 実際の会話で試す
- 間違いや不自然な表現を修正する
AI会話ツールやオンライン英会話を使えば、アウトプットの機会は以前より簡単に作れるようになりました。
ただし、AIが会話練習に便利だからといって、実際の人間が話す英語へのインプットが不要になるわけではありません。
現実の会話には、アクセント、言い直し、感情、沈黙、冗談、文化的な前提、人間関係があります。
インプットとアウトプットは競争関係ではなく、役割の異なる活動です。
インプットによって英語の材料を増やし、アウトプットによって、その材料を実際に使える形へ調整していきます。
英語を話せるようになるまでの、インプットから会話への順番を詳しく読む
CHADSが考える英語習得の4つの領域
CHADSでは、英語習得を次の4つの領域に分けて考えています。
1.Foundations:英語の土台
発音、英語の音とつづりの関係、基礎文法、頻出語彙などです。
基礎がまったくない状態で、いきなり難しいネイティブ向けコンテンツを見ても、意味の手がかりが少なすぎます。
イマージョンを始める前にすべてを完璧にする必要はありませんが、最低限の土台は、インプットを理解しやすくしてくれます。
2.Input:理解できる英語を取り込む
動画、音声、文章などを通じて、実際に使われる英語に大量に触れます。
日本の英語教育を受けてきた学習者に特に不足しやすいのが、この部分です。
3.Output Calibration:使える英語へ調整する
アウトプット・キャリブレーションとは、頭の中にある英語を、実際の会話で素早く、自然に使える状態へ調整することです。
たとえば、英語音声と同時に声を重ねるコーラス、音読、短い会話練習、文章作成、AIとの会話などが含まれます。
4.Social Dynamics:人と英語で関係を作る
英語の知識が増えても、実際の会話で緊張して話せなかったり、どのタイミングで話に入ればよいか分からなかったりすることがあります。
ソーシャルダイナミクスとは、相手との距離感、会話の流れ、質問の仕方、反応、ユーモアなど、コミュニケーションを成立させる力です。
英語を本当の意味で使えるようになるには、この4つをバランスよく育てる必要があります。
「勉強」と「習得」の違い、英語習得の4領域をさらに詳しく読む
方法を知ることと、自分に合う順番で実行することは別です
ここまで読むと、英語習得に必要な領域は比較的シンプルに見えるかもしれません。
しかし実際には、「今の自分は何から始めるべきか」「どの程度まで基礎を固めるべきか」「いつアウトプットを増やすべきか」「どのコンテンツなら難しすぎないか」といった判断が毎日のように発生します。
CHADSのプログラムは、新しい秘密の学習法を隠して販売するものではありません。必要な考え方を、迷わず実行できる順番、教材、練習方法に落とし込むために設計されています。
初めてCHADSの方法に触れる方は、まず次の2つが入口です。
- ファウンデーションズ re:mix:英語習得の全体像と、自分が何を優先すべきかを整理したい方。
- スパルタ イマージョン re:solve:イマージョンの考え方は理解しているものの、毎日の時間配分、素材選び、継続方法を具体的な計画にできていない方。
ファウンデーションズ re:mixの内容を見る
スパルタ イマージョン re:solveの内容を見る
2つの入口と、その後の商品を比較する
初心者・中級者・上級者でやり方はどう変わる?
「英語イマージョンは初心者でもできますか?」という質問をよく受けます。
答えは、できます。ただし、上級者と同じやり方をしてはいけません。
完全初心者・初心者
初心者の場合、ネイティブ向けのドラマやポッドキャストを聞いても、意味の手がかりがほとんどない可能性があります。
この段階では、次のようなコンテンツが向いています。
- 映像から状況を推測しやすい動画
- 同じ言葉や行動が何度も繰り返される動画
- 料理、運動、DIY、ゲーム実況など、動作と英語が一致しやすい内容
- すでに日本語で内容を知っている作品
- 初心者向けに速度や語彙が調整された教材
発音、基礎語彙、基本文法の学習も並行してください。
初心者にとってイマージョンは、すべてを理解する時間ではなく、英語の音やリズムに慣れ、少しずつ理解できる部分を増やす時間でもあります。
中級者
中級者は、内容の大枠を理解できるコンテンツを中心にします。
すべての単語が分かる必要はありません。誰が何について話していて、何が起きているかを追える程度が目安です。
中級者は次の活動を組み合わせると効果的です。
- 英語字幕を使って聞き取れなかった表現を確認する
- 短い場面を繰り返し見る
- 気に入った表現を声に出す
- 重要な語彙だけを記録する
- 同じテーマの動画を複数見る
- 簡単な会話練習を増やす
上級者
上級者は、英語学習者向けの素材から離れ、興味や仕事に直結する本物のコンテンツを増やします。
- 専門分野のポッドキャストや講演
- 複数人が自然に話す番組
- 異なる国や地域のアクセント
- 仕事上の会議、交渉、プレゼンテーション
- 英語での読書や専門的な文章
上級者は、字幕を使うかどうかよりも、その時間に何を鍛えたいのかを基準に判断してください。
英語イマージョンの具体的な始め方
英語イマージョンを始めるとき、いきなり生活のすべてを英語に変える必要はありません。
次の6つのステップで、自分の生活に合った環境を作っていきましょう。
ステップ1:日本語で普段何を見ているか確認する
まず、普段どのようなコンテンツに時間を使っているか確認してください。
- YouTube
- テレビやNetflix
- ニュース
- ポッドキャスト
- ゲーム
- SNS
- 本や漫画
英語イマージョンを始めるために、新しい趣味を無理に作る必要はありません。
すでに日本語で楽しんでいるものを、少しずつ英語へ置き換えるのが最も簡単です。
ステップ2:自分が本当に興味を持てるテーマを選ぶ
英語学習に良さそうだからという理由だけで、興味のないニュースや教育動画を見る必要はありません。
ファッション、筋トレ、料理、旅行、ビジネス、ゲーム、サッカー、映画、コメディなど、自分が日本語でも見たくなるテーマを選びましょう。
興味があるテーマは、背景知識があるため内容を推測しやすくなります。また、続けるための心理的な負担も小さくなります。
ステップ3:「楽に見られるもの」と「少し難しいもの」を用意する
コンテンツを一つの難易度に統一する必要はありません。
おすすめは、次の2種類を用意することです。
- コンフォート・コンテンツ:比較的楽に理解でき、疲れていても見られるもの。
- チャレンジ・コンテンツ:少し難しいが、集中すれば大枠を追えるもの。
毎回、難しいコンテンツだけを見ると疲れます。簡単なものだけを見続けると、新しい表現との出会いが減ることがあります。
その日の体力や集中力に合わせて使い分けてください。
ステップ4:最初は短い時間から集中して見る
最初から2時間の映画を字幕なしで見る必要はありません。
5分から15分程度の動画を選び、次のように視聴してみてください。
- 最初は止めずに見る。
- 誰が何について話していたか確認する。
- 気になった場面だけ見直す。
- 必要であれば字幕やスクリプトを確認する。
- 覚えたい表現を1つか2つだけ選ぶ。
すべての知らない単語を調べる必要はありません。
動画を数秒ごとに止めて辞書を引くと、内容を楽しめなくなり、イマージョンが普通の勉強へ戻ってしまいます。
ステップ5:重要な表現だけ復習する
何度も登場する単語、自分が使いたい表現、内容を理解するうえで重要だった表現だけを残します。
必要に応じて、AnkiなどのSRS(間隔反復システム)を利用することもできます。SRSとは、忘れそうなタイミングに合わせて復習を行う仕組みです。
ただし、カードを作りすぎると復習に追われます。
イマージョンの目的は、カードを大量生産することではありません。英語コンテンツを理解し、楽しみ、そこから必要な言葉を吸収することです。
ステップ6:一部を声に出し、実際に使う
動画の中で気に入った文章があれば、音声に重ねて話してみてください。
CHADSでは、音声とほぼ同時に声を重ねるコーラスを推奨しています。
内容を理解したうえで、発音、リズム、イントネーションをまねることで、聞いて分かる英語を、自分でも使える英語へ近づけていきます。
その後、AI会話、オンライン英会話、友人や同僚との会話などで、実際に表現を使ってみましょう。
ここまで読んで、今日から実行したい方へ
英語習得の全体像や、自分が何を優先すべきかから整理したい方には、ファウンデーションズ re:mixが入口です。
イマージョンの考え方は理解できたものの、毎日の時間配分、素材選び、継続方法を1か月の行動計画へ変えたい方には、スパルタ イマージョン re:solveが適しています。
ファウンデーションズ re:mixを見る
スパルタ イマージョン re:solveを見る
CHADSの各プログラムを比較する
字幕はあり・なし、どちらがいい?
字幕については、「絶対に使うべき」「絶対に使ってはいけない」と単純に決めることはできません。
英語力と視聴目的によって使い分ける必要があります。
初心者:基本は字幕なしで、映像から理解しやすい素材を選ぶ
初心者が英語字幕を使うと、英語の音を聞くよりも、文字を読むことに集中してしまう場合があります。
特に、英語の音とつづりの結びつきがまだ弱い段階では、字幕がリスニングを助けるとは限りません。
まずは、字幕がなくても映像や状況から意味を推測しやすい、簡単なコンテンツを選ぶのがおすすめです。
ただし、短い教材で音声と文章を一緒に確認したり、視聴後にスクリプトを確認したりする方法は有効です。
中級者:英語字幕を戦略的に使う
中級者になると、英語字幕は、聞き取れなかった単語や表現を発見するための便利な道具になります。
次のような使い方がおすすめです。
- 最初は字幕なしで見る。
- 内容をどこまで理解できたか確認する。
- 聞き取れなかった部分だけ英語字幕で確認する。
- もう一度字幕なしで見る。
最初から最後まで字幕だけを読み続けるよりも、音声と文字を往復することで、音とつづりを結びつけやすくなります。
上級者:目的に合わせて自由に選ぶ
上級者の場合、字幕を使うかどうかは、その時間に何を鍛えたいかで決めてください。
- リスニングに集中したい:字幕なし
- 専門用語や細かい表現を確認したい:英語字幕あり
- 内容を短時間で正確に理解したい:字幕やスクリプトを利用
- 映画やドラマを純粋に楽しみたい:好きな方法を選ぶ
日本語字幕は使ってはいけない?
日本語字幕は、作品の内容を楽しんだり、背景を理解したりするためには便利です。
ただし、日本語字幕を読みながら英語音声を聞くと、脳の注意は日本語に向かいやすくなります。そのため、英語を聞き取る練習としては効果が限定的です。
難しい作品を最初に日本語字幕で理解し、その後に英語字幕や字幕なしで見直す、といった使い方はできます。
英語イマージョンは一日何時間やればいい?
イマージョンについて調べると、「毎日3時間必要」「数千時間やらなければ意味がない」といった話を目にすることがあります。
英語への接触時間が増えれば、それだけ英語を習得する機会も増えます。
しかし、すべての人に共通する絶対的な時間はありません。
仕事、家事、育児、現在の英語力、目標、コンテンツの難易度によって、同じ1時間でも得られるものは異なります。
| 使える時間 | おすすめの構成 |
|---|---|
| 30分 | 20分の集中インプット+10分の復習やコーラス |
| 60分 | 40分の集中インプット+10分の復習+10分のアウトプット |
| 2時間 | 60〜90分の集中インプット+受動的なリスニング+復習や会話練習 |
一日に30分しか取れないからといって、始める意味がないわけではありません。
継続できる30分は、3日で終わる3時間より価値があります。
集中力には波があって当然
語学習得は、毎日同じ熱量で一直線に進むものではありません。
ある時期は、新しい英語のYouTubeチャンネルを見つけて、毎日何時間も夢中になるかもしれません。
別の時期には、仕事が忙しくなり、情報を素早く理解するために日本語へ戻ることもあります。
これは失敗ではありません。
人の興味や集中力には波があります。英語から少し離れたとしても、再び英語を見たい、聞きたいという時期は戻ってきます。
英語イマージョンを長期的に続けるコツは、一度も止めないことではありません。止まったあとに、また戻れる仕組みを持つことです。
イマージョンが失敗する主な理由
1.自分のレベルより難しすぎるコンテンツを選ぶ
ネイティブ向けコンテンツをほとんど理解できない状態で見続けると、音に慣れる効果はあっても、意味の習得効率は下がります。
すべてを理解する必要はありませんが、状況や話題の大枠を追えるものを選びましょう。
2.英語学習に良さそうな、つまらないコンテンツを選ぶ
興味のない教材を毎日見るのは苦行です。
英語イマージョンは長期的な取り組みなので、内容に対する興味は重要な学習条件です。
3.毎回すべての単語を調べる
知らない単語を一つ残らず調べると、動画を楽しむ時間より辞書を使う時間のほうが長くなります。
繰り返し登場する単語や、理解に必要な表現を優先してください。
4.聞き流しだけで終わる
家事中や移動中の聞き流しは、英語の音に慣れる補助になります。
しかし、意味を考えながら集中して聞く時間がなければ、語彙や文法の習得は限定的です。
5.インプットだけで話せるようになると思う
理解できる表現が増えても、実際に話すには、言葉を取り出し、発音し、相手の反応に合わせる練習が必要です。
コーラス、音読、AI会話、オンライン英会話、実際の交流などを少しずつ加えましょう。
6.文法や語彙学習を完全に否定する
文法や単語を勉強することと、イマージョンは対立しません。
文法知識は、インプットの中で何が起きているかに気づく手がかりになります。語彙知識が増えれば、理解できるコンテンツの範囲も広がります。
7.毎日完璧に続けようとする
一日休んだだけで「自分は継続できない」と考える必要はありません。
英語学習をゼロか100かで考えると、忙しい時期に完全にやめてしまいやすくなります。
時間がない日は5分。余裕がある日は1時間。強度を調整しながら続けてください。
8.上達を毎日の感覚だけで判断する
語学の変化は少しずつ起こるため、昨日と今日を比較しても分かりにくいものです。
上達を確認するには、数週間から数か月単位で比較する必要があります。
上達しているか確認する方法
英語イマージョンでは、テストの点数だけで進歩を判断することは難しい場合があります。
そこでおすすめなのが、過去の自分と比較する仕組みを作ることです。
同じ動画を2〜3か月後に見直す
以前はほとんど聞き取れなかった動画を、数か月後にもう一度見てください。
聞こえる単語が増え、文の区切りが分かり、内容を追いやすくなっていれば、インプットの効果が表れています。
字幕なしで理解できる範囲を記録する
正確な数字でなくても構いません。
「話題だけ分かった」「半分ほど理解できた」「細かい冗談まで分かった」といった簡単な記録を残しておくと、変化が見えやすくなります。
同じ質問に英語で答える
月に一度、同じ質問に英語で答え、音声を録音してみてください。
たとえば、次のような質問です。
- What did you do this week?
- What are you working on right now?
- What is something you recently changed your mind about?
話せる長さ、間の少なさ、語彙、発音などを過去の録音と比較できます。
英語を聞く疲労感を観察する
上達は、理解できる単語の数だけではありません。
以前は10分で疲れていた英語動画を、30分見ても苦しくなくなったなら、処理が自動化されている可能性があります。
実践者の体験談を見る
イマージョンによる変化は、学習者の開始レベル、生活、興味、使える時間によって異なります。
実際の学習者が何を行い、どのような変化を経験したのかを知ることも参考になります。
英語イマージョンについてよくある質問
イマージョンラーニングとは何ですか?
動画、音声、読書、会話などを通じて日常的に英語へ触れ、大量のインプットから英語を習得していく方法です。教科書学習を完全にやめるという意味ではありません。
イマージョン教育との違いは何ですか?
イマージョン教育は、学校で数学や理科などの教科を外国語で学ぶ教育方式です。大人の英語イマージョンは、自分の生活の中に英語コンテンツや会話を組み込む自主的な習得方法です。
大人や初心者でもできますか?
できます。ただし、初心者は映像から意味を推測しやすい簡単な素材を選び、発音、基礎語彙、文法の学習も並行する必要があります。
一日何時間必要ですか?
すべての人に共通する最低時間はありません。まずは一日30分程度から始め、生活に無理なく組み込める範囲で増やすことをおすすめします。
聞き流しだけでも効果がありますか?
英語の音やリズムに慣れる補助にはなります。しかし、語彙や意味を習得するには、内容に集中し、ある程度理解しながら聞く時間が必要です。
字幕は使わないほうがいいですか?
レベルと目的によります。初心者は字幕なしでも理解しやすい映像中心の素材を選び、中級者は英語字幕を確認用として使い、上級者は目的に合わせて自由に選ぶのがおすすめです。
留学しなくてもイマージョンはできますか?
できます。YouTube、ポッドキャスト、動画配信サービス、SNS、オンライン会話などを使えば、日本に住みながら英語環境を作れます。
インプットだけで話せるようになりますか?
インプットによって理解力や表現の蓄積は増えますが、素早く話せるようになるには、コーラス、音読、会話などのアウトプット練習も必要です。
文法や単語の勉強は必要ですか?
必要です。ただし、文法問題や単語暗記だけに時間を使うのではなく、実際の英語コンテンツの中で知識を確認し、使われ方と結びつけることが重要です。
どのような動画から始めればいいですか?
興味があり、映像から状況を理解しやすく、話題の大枠を追える動画から始めてください。初心者には、料理、運動、旅行、DIY、ゲーム実況など、動作と英語が一致しやすい内容が向いています。
7日間で始める英語イマージョン
何から始めればよいか迷う方は、次の7日間プランを試してください。
| 日 | 行動 |
|---|---|
| 1日目 | 普段日本語で見ているコンテンツと、興味のあるテーマを3つ書き出す。 |
| 2日目 | 興味のある英語チャンネル、番組、ポッドキャストを5つ試す。 |
| 3日目 | 楽に理解できるコンテンツと、少し難しいコンテンツを1つずつ選ぶ。 |
| 4日目 | 30分間、英語コンテンツを集中して見る。単語は調べすぎない。 |
| 5日目 | 前日に見た動画の一部を見直し、気に入った表現を1つ選ぶ。 |
| 6日目 | 選んだ表現をコーラスし、自分の状況に置き換えて話してみる。 |
| 7日目 | 続けられそうな時間帯を決め、翌週の予定に英語時間を入れる。 |
最初の目標は、英語を完璧に理解することではありません。
自分が来週も見たいと思える英語コンテンツを見つけることです。
イマージョンの方法を理解したうえで、自分に合う英語動画を探す時間を減らしたい方へ
CHADS Immersion Listening Packageは、イマージョンの基本的な考え方と動画の使い方を理解した方が、英語レベル、ジャンル、動画の長さ、話者の人数などから、自分に合う動画を選び、実際に英語へ触れる時間を増やすための動画ギャラリーです。
まとめ
イマージョンラーニングとは、英語を「勉強の時間」に閉じ込めず、日常生活の中で英語に触れ、理解し、使う環境を作る習得方法です。
留学しなければできない方法ではありません。YouTube、ポッドキャスト、動画配信サービス、SNS、読書、AI会話などを使えば、日本に住みながらでも英語環境を作れます。
ただし、英語を流しているだけで、すべてが自動的に身につくわけではありません。
自分のレベルに合うコンテンツを選び、意味を理解しながら英語に触れ、必要に応じて語彙や文法を学び、声に出し、実際の会話で使う必要があります。
また、語学習得は一直線には進みません。
集中できる時期もあれば、英語から少し離れる時期もあります。それでも、英語に戻れる環境を残しておけば、経験は少しずつ積み重なります。
今日から生活のすべてを英語に変える必要はありません。まずは、普段見ている30分の日本語コンテンツを、興味のある英語コンテンツへ置き換えるところから始めてください。
私たち「CHADS」とは?
CHADSは、英語を試験科目として学ぶのではなく、実際の生活やコミュニケーションで使える言語として習得するためのデジタルプログラムを提供しています。
私たちは、英語習得を次の4つの領域から考えています。
- Foundations:発音、基礎文法、頻出語彙などの土台
- Input:理解できる英語に大量に触れること
- Output Calibration:理解できる英語を実際に使える形へ調整すること
- Social Dynamics:人と英語で関係を作り、会話を成立させること
英語を学ぶこと自体を最終目的にするのではなく、英語を自分の思い描く生活を実現するための、実用的な道具にすることを目指しています。
無料の記事とCHADSプログラムの違い
この記事では、英語イマージョンを始めるための全体像を公開しました。
CHADSのプログラムで提供しているのは、この考え方を実際の学習へ落とし込むための順番、具体的な練習、教材、コンテンツ、そして判断基準です。
つまり、記事が「何を、なぜ行うのか」を理解するためのものであるのに対し、プログラムは「今日から具体的に何を行うのか」を迷わず実行するためのものです。
この記事の理論的背景として参考にした主な文献
- Stephen D. Krashen, The Input Hypothesis: Issues and Implications, 1985.
- Merrill Swain, “Communicative Competence: Some Roles of Comprehensible Input and Comprehensible Output in Its Development,” 1985.
- Paul Nation, “The Four Strands,” Innovation in Language Learning and Teaching, 2007.
- Stuart Webb and Paul Nation, How Vocabulary Is Learned, Oxford University Press, 2017.
本記事では、第二言語習得研究の知見と、CHADSが英語学習者とのやり取りを通じて得てきた実践的な観察を分けながら、英語イマージョンの考え方を紹介しています。
次に、自分に合うCHADS商品を確認する
4つの商品と人気セットを、目的・内容・価格から比較できます。