英語ポッドキャスト:正しい選び方と聴き方で究極の英語リスニング力をモノにする

イマージョン Dec 30, 2023

読了目安時間:9分

英語のポッドキャストを聴いて英語のリスニング力を鍛えたいんだけど、効果的な選び方聞き方は?

と良く聞かれます。自分のレベルに相応しいのか?つまらなくても聞き続けたほうがいいのか?どれぐらい理解できていればいいのか?などは多くの日本人の英語学習者が悩むポイントです。これらの疑問を抱くことは実は言語学習論においてとても重要なポイントで、正しい英語学習を行うための大きな一歩となります。この記事では、英語のポッドキャストをリスニングするのに押さえておきたいポイントを紹介します。英語のリスニング力を効果的に鍛える非常に重要なポイントを公開しますので、ぜひ最後まで読んでいただると嬉しいです・・・

注意点:英語のポッドキャストをおすすめする記事は山ほどありますので、この記事では敢えておすすめでなく、ポッドキャストの選び方と聞き方に焦点を当てていきます。記事の最後に他では紹介されていない、内容濃いめのマニアックなポッドキャスト番組をいくつかご紹介したいと思います。

この記事の要点

  • イマージョン学習法:英語ポッドキャストは自分の環境を英語に切り替える独学法の一部。
  • 理解可能なインプット:選ぶポッドキャストは既知の語彙をわずかに超えるレベルのものを選ぶ。
  • ネイティブ向けポッドキャスト:加工されていない、自然な英語のポッドキャストを選択する。
  • 興味を持つコンテンツ:継続的な学習のために、面白いと感じるテーマのポッドキャストを選ぶ。
  • トピックの多様性:様々なトピックをカバーするポッドキャストを聴くことで語彙を強化。

目次

理論:英語のポッドキャストをリスニングする際に押さえておきたいポイント

実際にポッドキャストを英語学習のルーティンに取り入れる際のガイドライン

まとめ

CHADSについて


理論:英語のポッドキャストをリスニングする際に押さえておきたいポイント


英語ポッドキャストの視聴はイマージョン独学法の一つ

イマージョン学習法*とは、伝統的な「クラスルーム」や「英会話」といった、他の人と一緒に実践する勉強方法でなく、1人でいつでもどこでもできる独学法になります。英語イマージョンとはテストで高い成績を得るための単発的な学習法でなく、長期的に日々実践するコミュニケーション能力を高めるための独学法になります。英語は「紙でのスコア」を得るための道具でなく、無限な可能性へと自らを導く武器だと我々CHADSは考えています(グローバルキャリアを築く、外国人と深い友人関係を築いて掛け替えのない友情を得る、外国で円滑に現地の方々と豊かなコミュニケーションを取る、等です)。

具体的にいうと、イマージョンを実践することとは、海外にいなくても自分の周りの環境をできる限り英語に切り替えることです。例えばユーチューブを見るときは日本語でなく英語のコンテンツを見る、又はネットフリックスは字幕なしで英語を見るなど、ということになります。可能な限り自分が外国で生活しているかのように生活を置き換えるのです。よって、英語のポッドキャストを聞くこととは実はイマージョン学習法の一環になります。あなたはきっと英語のポッドキャストを視聴するときに単純に英語が聞き取れるようにしたいと思っただけなのかもしれませんが、イマージョンというベースとなる英語学習の一つの柱になるのです。

このように、英語のリスニング力を最大限に鍛えるためには、「英語イマージョン」というフレームワークに寄与する英語ポッドキャストを選択するべく、この記事でポッドキャストを選ぶ際の鉄則とすぐに聴くことを諦めないようにするための幾つかのヒントをシェアしていきます。

*イマージョン学習法にもっと詳しい記事を書いていますので、ご興味のある方はぜひこちらをご確認ください「英語イマージョン学習法:自然に聞き取れ、話せるようになる独学法の実用的ガイドライン」。


英語リスニングのポッドキャストを選ぶ際の鉄則

少し耳が痛いことを言いますが、「内容が面白そうだからこれにしよっと」、という軽いアプローチではいくらポッドキャストを聞いても英語のリスニング力の向上にはなかなかつながらないのが現状です。 では、英語のリスリング力強化においてどんな点に注意してポッドキャストを選ぶべきか、下記にて解説していきます。


理解できる内容のインプットがとにかく重要

まず、ポッドキャストであろうが動画であろうが、インプットは理解できる内容を選ぶことが英語のリスニング力を鍛えたい人が守らないといけない鉄則になります。これは「Comprehensible Input (理解可能なインプット)」という、アメリカの言語学者スティーブン クラッシェン(Stephen Krashen)によって1980年代初頭に提唱された、第二言語習得理論に関する中核的な概念として広く知られています。

「理解可能なインプット」とは要するに、あなたが既に知っている言語の範囲をわずかに超えるレベルのコンテンツを視聴することです。意味を理解できる状況で新しい言語に接することが、言語習得において最も効果的であるとクラッシェン氏は主張しました。つまり、あなたがその言語の意味を理解しながらも少し挑戦的なレベルを経験することが重要なのです。このアプローチは、文法の暗記や形式的な練習よりも実際にその言語を使うことと理解することを重視しています。

具体的な「理解できる範囲」のパーセンテージを示す明確な基準は設けられていませんが、文脈やすでに知っている単語から、新しく出てきた単語の意味を推測できるレベルが理想的とされています。

つまりあなたが英語のポッドキャストを選ぶ際には、例えば60%程度の理解が可能であれば、残りの部分は文脈や既知の単語から推測ができるかどうかを一つの基準にしてください。知らない単語で圧倒されるのではなく、自然に新しい単語を吸収できるような環境を作るのがおすすめです。


日本人向けに加工された不自然な英語は避ける

日本人の英語学習者向けに加工された英語のポッドキャストをよく見かけるのですが、正直おすすめをしません。英語のリスニング力を保つには、英語圏の人(以下シンプルにするために「アメリカ人」といいます)向けに作られたものを視聴するべきです。

英語のリスニング力を強化するためには、アメリカ人向けに作られたポッドキャストをおすすめします。これらのポッドキャストでは、自然な会話スタイル、現代的なスラング、実際の発音など、ネイティブが日常的に使う英語に触れることができます。また、アメリカの文化、社会、歴史に関する話題や視点を通じて、言語だけでなく、その言語が使用される文化的背景の理解も深めることができます。

最後に、アメリカのポッドキャストでは複数のゲストを招く傾向があるため、自然と会話環境が作られます。これは、単に一人の「先生」が話すスタイルのポッドキャストとは異なり、実際のアメリカ人同士の会話の流れや、様々な人々の意見や反応を聞く機会を提供してくれています。英語学習者にとってこのような環境は、実際にアメリカ人と接する際の会話スタイルを学ぶのに非常に有効です。

この記事の後半で、レベル別のリアル英語のポッドキャストを紹介します。


英語のリスニング力を強化するための継続の秘訣


英語学習の際に忘れられがちなポイント:リスニングのコンテンツの面白さ

英語のリスニング力は当然ながら一日では向上しないので、時間と努力が必要です。「1週間で英語がペラペラになる」などという誇大なマーケティングに騙されず、まず少なくとも数ヶ月はかかることを覚悟してください。そのぐらいのスタンスでいないとあなたは期待していた結果が得られず、くじけて諦めてしまうでしょう。

英語のリスニング力は英語コミュニケーション能力を構成する中心的な柱であり、あなたにとってTOEIC等で評価する一時的なものを超える長期的な宝物になると思います。海外旅行の際に外国人と話したり、日本で外国人の友達を作ったり、仕事で外国人の同僚と円滑に会議に参加ができたり・・・この価値が持つ可能性は無限です。要するに、もう一度言いますがリスニング力の習得は、じっくりと腰を据えて行う長期的な活動としてみるべきなのです。

よって、英語のコミュニケーション能力を鍛えるには「継続」がカギとなります。あいにく我々人間は新しい活動を習慣化することはとても苦手です。そこで継続の秘訣となるのが、「コンテンツの面白さ」なのです。英語学習は長期的であるべき、と書かれた時点であなたはすでにハードルを感じているかもしれませんが、「理解可能なインプット」の規則を取り入れつつ、「コンテンツの面白さ」をプラスすることでハードルを簡単に乗り越えることができます。

例えば私は日本語学習者の外国人として「Newspicks」や「Pivot」をほぼ毎日視聴しています。なぜかというと、私が興味を持っているキャリアアドバイスや起業家のインタービュー、DX(デジタルトランスフォーメーション)といった内容が幅広く網羅されていて、その話題に特化した単語を沢山習得することができるからです。あなたが興味を持っている分野やテーマは何ですか? ぜひ英語で視聴してみましょう。


視聴者がやりがちなこと:一種類のポッドキャストのみに集中

言語学習における「active vocabulary」(アクティブ ボキャブラリー)と「passive vocabulary」(パッシブ ボキャブラリー)の概念はとても重要な要素になります。

アクティブ ボキャブラリーとは、学習者が積極的に使用し、すぐに思い出せる単語になります。これらの単語は、日常会話や書き言葉で自然に使えるもので、学習者が快適にコミュニケーションを取れるレベルの語彙を指します。

一方、パッシブ ボキャブラリーは学習者が聞いたり読んだりした際に理解はできるが、通常、今の自分の英語レベルにとって、より高度な語彙や専門的な用語、あまり頻繁には使われない表現のため、思い出すのに少し苦戦することがある単語が含まれます。

言語のコミュニケーション能力は、「使える単語」を増やすことで強化できるので、徐々にパッシブ ボキャブラリーをアクティブ ボキャブラリーに変えていくサイクルを作ることがカギとなります。

ポッドキャストを使った英語のリスニング学習において、これら二つの概念をどのように活用するかは重要です。例えば、一定の分野やトピックに特化したポッドキャストばかりを聴いていると、その分野に関連する語彙は強化されますが、他の多様なトピックに関連する語彙の学習は進まない可能性があります。そのため、様々なトピックをカバーするポッドキャストを聴くことは、パッシブ ボキャブラリーを広げるのに役立ちます。

とはいえ、内容が自分にとって面白いことも重要なので、私は前述に述べたように偏った内容の「Newspicks」や「Pivot」を選びがちです。子供もいるし、仕事で忙しいし、時間が限られているので好きなポッドキャストを選んでしまう傾向にあります。でも、そんな自分を受け入れつつ例えば週に3回ポッドキャストを視聴するとしたら、その3回のうちの1回はあえて違う内容(私の場合は日本のニュース番組)のものを選ぶようにするなど工夫しています。


ポッドキャストが長すぎないこと

このポイントに関しては実は我々CHADSがプロデュースしているポッドキャスト「CHADScast」*のユーザーから頂いたフィードバックになります。CHADScastをローンチして数週間30分程度のエピソードを作っていたのですが、ユーザー様より20分が丁度いいというフィードバックを頂きました。

長いポッドキャストを視聴する際に集中力の限界を超えてしまう場合は結局BGM的な音になってしまうため、何のメリットもありません。30分を超えるポッドキャストが多い現状では、選択肢が少ないかもしれませんが10分から20分ほどのポッドキャストを選んで視聴し、聴き足りなければさらに追加で違うエピソードを視聴するという流れが集中するには最適かなと我々は思います。

なお、30分以上のポッドキャストが大半のため、そういったものを視聴する場合は20分視聴したあと一時停止します。それから違うことをして気分転換し、また集中できそうになったら再開するのがおすすめです。

*ネイティブアメリカ人同士のノーフィルターの自然な会話を届ける「CHADScast | 英語イマージョン用週間ポッドキャスト」にご興味のある方は是非詳細ページをご確認ください


実際にポッドキャストを英語学習のルーティンに取り入れる際のガイドライン


ポッドキャストと動画:どっちがいい?

初心者・超初心者向けの注意点

超初心者の場合はポッドキャストはあまりおすすめしません。なぜなら語彙力がどうしても足りないために聴く行為だけではすぐに内容についていくことが出来なくなるためです。その場合、音だけでなく、ユーチューブやネットフリックスなどを利用して、視覚的に文脈が分かる環境を作らないといけません。初心者でも聞けると言われているポッドキャストでも難しすぎると感じるようであれば、一旦ポッドキャストは諦めて、子供向けのアニメ等の視聴から始めることをおすすめします。

動画対ポッドキャスト:それぞれの視聴時間のガイドライン

前述に述べたように、超初心者はポッドキャストを一旦控えて子供向けの動画を優先しましょう。超初心者でなくても、聞き取れやすいと言われているアメリカなどのポッドキャストが聞き取れにくいと感じる方も同様な考え方です。

ある程度聞き取れて、「理解可能なインプット」が可能な方はポッドキャストを自分なりのイマージョンのスケジュールの一部に組み込んでいきましょう。我々CHADSはポッドキャスト(つまり、リスニングのみのインプット類)をイマージョン時間の3分の1にする方針です。

具体的にいうと、あなたの1週間の日常生活における英語のイマージョン時間が10時間であれば、その中でのインプットを7時間動画ベースにし、3時間はポッドキャストにするイメージですね。ポッドキャストは他のことをしながらリスニングできるところがとても魅力的ですが、その作業の方に集中力が囚われすぎる場合は英語のリスニング力への効果が薄れてしまうため、通勤電車やお皿洗いなどといった、ある程度ポッドキャストに集中できる環境で活用していただきたいと思います。


ボーナス:上級者向けの少しマニアック向けポッドキャストの紹介

冒頭に述べたように、英語リスニング用のポッドキャストのオススメ記事は山ほどありますので、こちらでは敢えてあまり一般のオススメ記事に載らないような少しマニアックで内容の濃い目のポッドキャストをご紹介したいと思います。こちらは上級者向けの方におすすめしたいのですが、究極のネイティブ向けポッドキャストとはどんなものなのかが知りたい方はぜひレベルを問わずに視聴挑戦してみてください:

注意点

  • 以下のポッドキャストはユーチューブベースになるのですが、オーディオのみのポッドキャストと同じ聞き方ができる上に、視覚的にも文脈を理解したいときは映像ありで視聴いただけるというメリットがあります。
  • アメリカらしく、様々な政治的視点が含まれるポッドキャスト番組がありますことをご了承ください。

人間関係・男女関係

 

The Rationale Male@RolloTomassi

男性の心理学や行動について深く掘り下げるアカウント。男性と女性の関係性に焦点を当てた内容が多い

Fresh And Fit@FreshFitMiami

マイアミを拠点にするフィットネスとライフスタイルに関するアカウント。健康や恋愛、社会生活に関するアドバイスが特徴。

人生のストーリー系

Soft White Underbellyユーチューブ

社会のさまざまな側面を取り上げるYouTubeチャンネル。特に社会的にマイノリティな人々の声を伝えることに重点を置いている。

Fresh Out@FreshOutSeries

刑務所での生活や出所後の再社会化に関するリアルな体験を共有するアカウント。犯罪と社会の関係に焦点を当てる。

Lad Bible@LADbible

若者文化やエンターテイメントに関する話題を提供する人気のメディアアカウント。ユーモアやトレンドを取り入れた内容が豊富。

The Joe Rogan Experience@joerogan

ジョー・ローガンがホストを務めるポッドキャスト。様々な分野の著名人をゲストに迎え、深い話題を掘り下げる。

キャリア・プロダクティビティー系

Alex Hormozi@AlexHormozi

ビジネスとパーソナルデベロップメントに特化したアカウント。経営者や起業家向けの実践的なアドバイスを提供。

Tiago Forte@TiagoForte

生産性とクリエイティブな仕事の方法論を提唱する専門家。効率的な学習と仕事のテクニックに焦点を当てる。

Ali Abdaal@aliabdaal

医学生からYouTuberに転身したアリ・アブダールのアカウント。勉強法や生産性向上の方法を共有。

Justin Sung@JustinSung

医学と教育に焦点を当てたアカウント。特に医学生向けの学習支援やキャリアアドバイスを提供。

Talks At Google@talksatgoogle

グーグルで行われる講演やトークイベントのアカウント。多様な分野の専門家や著名人が登場。

モチベーション・ライフアドバイス

Owen Cook@OwenCookSelfHelp

パーソナルデベロップメントと自己成長に特化したアカウント。実践的なライフスタイルの改善法を提供。

Jordan Peterson@JordanBPeterson

心理学者であり作家のジョーダン・ピーターソンのアカウント。人生の意味や個人の成長に関する深い考察を提供。

筋トレ系

Revive Stronger@ReviveStronger

フィットネスと栄養に関する専門的な情報を提供するアカウント。トレーニングと食事の科学的アプローチに重点。

Menno Henselmans@menno.henselmans

トレーニングと栄養の科学に基づいたコーチングを提供するアカウント。エビデンスベースのアプローチを強調。

以上になります。ぜひ上記の様々な番組視聴を試してみてください。なお、イマージョンの具体的なフレームワークについて詳しく知りたい方はCHADSの「ファウンデーションズ re:mix | 英語習得のためのロードマップ」を是非チェックしてみてください。


まとめ

単純に英語のポッドキャストが聞きたい、という人は好きなものを選んでもいいのですが、結局、楽しい+英語のリスニング力を高めたい人は「どの程度理解ができるか」の確認、そして「どれぐらいこの内容に興味があるか」という二つの基本的な基準でまず選べばいいと思います。

さらに付け加えるならば、英語のリスニング力を高める = 集中することなので、20分間集中 → 気分転換 → また20分集中、という流れは私たちの経験上おすすめしたいところです。そしてできるだけ同じコンテンツのみに集中するのではなく、いつもと違うテーマのコンテンツも視聴することで単語の幅はぐんと広がっていきます。

英語のコミュニケーション能力を高めることは、とにかく継続が第一です。途中で諦めてしまわないよう、ご自身でも色々と工夫してみてください。CHADSには数千人の英語学習者がいますが、みなさん日々努力されています。ぜひあなたも一緒にがんばりましょう!


私たち「CHADS」とは?

私たちCHADSは、英語コミュニケーション習得ツールを提供するスタートアップ企業であり、第二言語として英語を習得のために必要な取り組み方を解説したビデオ学習コースや効率的な学習法を提供しています。

私たちのアプローチは、

  • イマージョン(英語のインプット法)
  • アウトプットのキャリブレーション(インプットとアウトプットのバランス)
  • ソーシャルダイナミクス(英語を使ったコミュニケーション法)

の3つの柱に基づいています。

私たちは英語が自分の思い描く生活のための効果的で実用的なツールとなるように、学問の枠を超えて言語を理解することを中心に取り組みます。

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