英単語の暗記に近道はない!長期的な努力と継続ができる仕組みづくりが重要

イマージョン Mar 10, 2024

読了目安時間:12分

英語が話せるようになりたいけど、英単語ってどれくらい覚えるべき? 早く覚えられるコツはないのかなぁ? 暗記も苦手だし、正直挫折しそうです・・・

英語習得において単語の暗記は避けては通れませんが、多くの人がつまづくポイントだと思うので、その気持ちはよく分かります。今回はそんな風に感じているあなたに従来のやり方とは違う、楽しく続けられて確実に記憶が定着する英単語の暗記方法をご紹介します。またこの英単語暗記法は、テスト用ではなくコミュニケーションツールとして英語が話せるようになりたい人にとって、最高の英単語暗記法です。単語の意味を覚えるだけでなく、ネイティブがどんな風に使っているか、リアルな使い方をどんどん吸収できる暗記法なので、従来のやり方だと覚えられない、という方はぜひ取り入れてみてください。

この記事の要点

  • 継続が鍵:英単語の学習は終わりがなく、長期的に続ける必要がある。
  • 二種類の語彙使用できる「アクティブ」語彙と理解はできるが使わない「パッシブ」語彙を増やす。
  • 暗記の難しさ伝統的な暗記法では、親しみのない単語や複雑な単語は記憶に残りにくい。
  • 暗記のコツ単語を覚える際は、その「関連性」「イメージ」「文脈」を意識する。
  • 効果的な学習法SRS(間隔反復法)とイマージョン学習を利用して、単語の記憶を定着させる。

目次

英語習得において、単語をどう捉えるべきか?

なぜ英単語がなかなか覚えられないのか?

英単語の記憶力が上がる、脳の仕組みを理解せよ

生きた英語が身に付く! 最強の英単語暗記法

最強の英単語暗記法、具体的なやり方

まとめ

CHADSとは


英語習得において、単語をどう捉えるべきか?


英単語の暗記に終わりなし!長期的な継続の覚悟を

まず、英語をコミュニケーションツールとして本当に使いこなせるようになりたければ、当たり前ですが3000語〜5000語など決められた数を覚えて終わり、というわけではありません。英単語の暗記は、常に継続していくものと捉えてください。私自身も10年以上日本語を勉強していますが、いまだに毎日単語を覚えようとしています。まさに人生の冒険のようなものです。「長期的に続けるぞ!」という覚悟を持ちましょう。


アクティブとパッシブ、2種類の単語を身につける

英単語には、アクティブボキャブラリー(使用語彙)とパッシブボキャブラリー(理解語彙)の2種類があります。アクティブボキャブラリーは自ら書いたり話したりできる、自分が使いこなせる単語と言われていますが、まずは日常会話に困らないようこのアクティブボキャブラリーを早めに増やしましょう。そして、聞いたり見たりした時に理解できるレベルの単語であるパッシブボキャブラリーを継続的に増やしていきます。自分の身の回り、生活環境を全て英語に切り替えられたらベストですが、なかなか難しいと思うので、後半で具体的に単語を増やしていく仕組み、その暗記法について解説します。


なぜ英単語がなかなか覚えられないのか?

普段あなたはどのように英単語の勉強をしていますか? 単語本を1ページ目から順番に覚えていく、英単語のアプリを使って覚えていく、はたまた昔ながらの単語帳やカードを自作して覚えていく、などでしょうか。

そのような従来の勉強法の場合、日常生活でよく使う基本的な単語は比較的覚えやすいとは思いますが、問題は熟語のようなちょっと難しい単語や、日本語でも普段自分があまり使わない単語、スペルの長い複雑な単語といった言葉たちです。そのような単語はあなたにとってあまり身近に感じられないため、すぐに忘れてしまう、なかなか記憶が定着しない、といったことが起こるでしょう。

もう少し具体的に掘り下げていくと、そのような勉強法で英単語が覚えられない、と感じている人は、

  • ひたすら文字を見て丸暗記しようとしている
  • 本やカードに書かれている順番や位置で覚えてしまっている

といった特徴があります。

では、なぜ上記のような方法だと英単語がなかなか覚えられないのでしょうか?

その原因の一つに
その単語のイメージができていない、リアルに感じられていない
ということがあります。

それともう一つが、復習のタイミングです。英単語は当然一度や二度見ただけでは覚えられませんから、復習が必要となってきます。しかし、何回復習するのか? どんなタイミングでするのか?その効果的な方法を知っているか否かで、記憶の定着力は圧倒的に差がついてきます。

私は暗記が苦手だから・・・と落ち込む必要は全くありません。やみくもにひたすら英単語を覚えようとしても、なかなか覚えられないのは当然なのです。では、英単語の効果的な暗記方法について、一つずつ解説していきますね。


英単語の記憶力が上がる、脳の仕組みを理解せよ


世界の言語習得エキスパートが明かす「暗記」の秘訣

世界には第二言語どころか複数の言語を自在に操るPolyglot(ポリグロット)と呼ばれる言語習得のエキスパートたちがたくさんいます。彼らが言語習得の秘訣について語る動画をいくつも見てきましたが、その中で何度となく出てくる共通のキーワードがありました。

それは、関連性、イメージ、文脈です。

まず関連性とは、自分に関連がある単語は覚えやすいということです。例えば、「食べる/eat」「寝る/sleep」など生活の中で頻繁に使う単語、または自分の職種でよく使われている専門用語など、自分にとって身近な単語はただの文字ではなく、あなたにとって「生きた言葉」としてイメージが沸きやすいはずです。そういった単語は、自分と全く関連のない単語よりも覚えやすい、というのは簡単に想像できますね。

また、英単語を覚える際は必ず例文とセットで覚えましょう!というのも、一般的によく言われています。というのも、単語は文脈によって意味が多様に変化するものが多いので、ただひたすら英単語とその日本語の意味だけを覚えても、あまり実用的とは言えません。重要なのは、書き手や話し手がその単語を使って伝えたいことをどう表現しているかを知り、単語が持つイメージを膨らませることなのです。なのでむしろ例文丸ごと覚えてしまった方が、例えば似たようなシチュエーションに出くわした時、あなたはすぐにその単語(というよりフレーズ)を使うことができるでしょう。さらに言えば、その単語が違う文脈で違う意味合いとして使われている文にたくさん触れれば触れるほど、その単語が持つ概念やイメージ、どんなシチュエーション、会話で使われるが感覚として分かるようになり、徐々にあなた自身のフレーズで応用して使えるようになっていきます。

このようにいかにその単語を自分の中で「生きた英語」として印象付けていくか? が、単語の暗記の大きなカギになってくるのです。


復習の計画は「SRS」に任せる

記憶を定着させるには、とにかく何度も単語に触れることが重要とされていますが、では具体的にどれくらい復習すれば確実に記憶が定着するのでしょうか。たくさんの英単語を時間差で覚えていく学習者の私たちにとって、それを自己流で考えるのは当然複雑すぎて面倒です。

そこで、おすすめなのがSRSという仕組みの活用です。SRSとは、Spaced Repetition Systemの略で、日本語では「間隔反復法」と訳されています。一定の期間を開けて勉強する分散学習とも言われているSRSは脳が忘れてくるタイミングを見計らって復習する、効率的かつ確実に記憶が定着するサイクルで覚えることができると注目されているシステムです。英単語の暗記には、このSRSが採用されたアプリをぜひ活用しましょう。おすすめのアプリについては、後述で紹介します。


生きた英語が身に付く! 最強の英単語暗記法


イマージョン学習+センテンスマイニング+Anki アプリが最強の組み合わせ

さて、英単語の効果的な覚え方のポイントとして、いかにその単語を「生きた英語」として印象付けるかということと、復習にSRSを採用することをお伝えしましたが、具体的にどのように行うかをお伝えしますね。

私たちCHADSがおすすめするのは、(1)イマージョン学習を行いながら(2)センテンスマイニングを行い、(3)Ankiアプリで記憶を定着させる方法です。はい、一体何がなんだか分からないという方も多いですよね(笑)。簡単にいうと、日々、英語コンテンツのインプットを行う中で出てきた知らない単語や気になった単語を拾って覚えていく、という方法です。まずは上記の3つをそれぞれを簡単に紹介した後に、この3つを組み合わせて行うことのメリットについてお伝えします。


英語イマージョン学習法

まずイマージョン学習とは、子供が言語を覚えるのと同じように、学習中の言語を日々大量インプット(主にリスニング)していくことで言語を習得していく方法になります。これは私たちCHADSが数ある英語学習の中でもベストだと確信している学習法であり、英語習得者にとって、最も自然に言語を身につけることができる方法だと考えています。具体的には、ネイティブによるYoutube動画やポッドキャストなどを毎日一定時間以上視聴していく方法になりますが、イマージョン学習にもコツがあるため、私たちはこのイマージョン学習を効果的に実践できるフレームワークを作成しています。イマージョン学習の効果やメリットの詳細については、ぜひこちらの記事「忙しい社会人のための革新的な英語独学法とは?いつでもどこでも勉強可能」をチェックしてください。


センテンスマイニング

多ヶ国語話者であるポリグロットたちは、学習中の言語のコンテンツ(映画やYoutubeやポッドキャスト、書籍など)をインプットしていく中で出会った新しい文や言い回しを集め、覚えていく作業をセンテンスマイニングと呼んでいます。今回紹介する英単語の暗記方法では、厳密には文ではなく単語を拾っていきますが、もちろんそこで使われていた文やフレーズをそのまま単語の例文として使えばより効果的になります。


SRSアプリ、Anki

Ankiは、PCアプリ、スマホアプリ、WEB上とマルチプラットフォームで使用できるフラッシュカード(単語帳)アプリケーションです。Ankiの大きな特徴は、前述したSRSを採用していることと、自分が覚えたい単語を登録することができ、レイアウトを変えたり、イメージ画像や音声を追加できるなどカスタマイズに優れているところで、熱心な言語学習者の中でも人気の高い暗記アプリです。


最強の英単語暗記法のメリットとは?

冒頭でもお伝えしましたが、この暗記法は、テストの点数を取るためではなく、あくまでも英語が話せるようになりたい人にとって最強の方法となります。では、イマージョン学習、センテンスマイニング、Ankiアプリを組み合わせることで、英単語の暗記法としてどのようなメリットがあるのでしょうか?

それは、言語習得のエキスパートたちが暗記法の秘訣として言及していた、関連性、イメージ、文脈の要素を取り入れて単語を覚えることができるということです。というのも、この暗記法は、覚えるべき英単語1500 といったようなあらかじめ用意された英単語を覚えるわけではありません。ネイティブによる動画やポッドキャストを使って、主にリスニングで大量に英語をインプットしていくイマージョン学習の中で、あなたが気になった単語や覚えたい単語をピックアップし、Ankiアプリを使って覚えていく暗記法です。あなたが興味を持ったコンテンツの中で、ネイティブが実際にどのような文脈でその単語を使っているかを知ることができるため、従来の与えられた単語単独で覚える暗記法よりも圧倒的にイメージが広がります。これは記憶に残りやすいという点で、大きなメリットと言えるでしょう。

他にもこんなメリットがあります。

  • ネイティブが実際に話す会話の中でその単語の発音を聞くことができ、より立体的に記憶に刻まれる
  • ネイティブが頻繁に使う単語が分かり、優先して覚えるべき単語を抽出することができる(無機質な単語帳を眺めていると、この単語いつ使うんだろう?これ本当にネイティブは使ってるのかなぁ?と疑いたくなる時ありませんか?笑)
  • 様々な文脈に触れることでネイティブの単語の使い方のパターンを知ることができ、単語が本来もつ概念やイメージを捉えることができる

また、新しい単語を増やしていくためには、様々な分野・テーマの英語コンテンツをインプットする必要がありますが、継続するためのモチベーションという点で、きっとあなたは自分が好きな分野(例えばスポーツ、料理、ビジネスなど)の視聴も続けることになるでしょう。すると、その分野でよく使われる言葉は気合を入れて暗記しようと思わなくても、頻繁に登場するため自然と覚えてしまうというありがたい現象も起きます。

※英語イマージョンの継続に導くヒントをこちらの記事「英語ポッドキャスト:正しい選び方と聴き方で究極の英語リスニング力をモノにする」の「英語のリスニング力を強化するための継続の秘訣」で公開していますので、ぜひ気になる方は読んでみてください。


最強の英単語暗記法、具体的なやり方

では最後に、イマージョン学習&センテンスマイニング&Anki を組み合わせた最強の英単語暗記法の具体的なやり方をご紹介しますね。


STEP1: 好きな英語コンテンツを選ぶ(字幕、スクリプトがあるもの)

まずは、英語字幕をONにできるYoutube動画や好きな映画、スクリプトがあるポッドキャストなどの中から、あなたが興味のある分野・テーマののコンテンツを選びます。但し、英語の音声のみで、内容が60〜70%ほど理解できるものにします。

英語初心者の方は、いきなり大人のネイティブが話す動画だと難しいと感じるかもしれませんので、Netflixなどの吹き替え・字幕機能に優れたサービスを活用しながら、子供番組や好きなアニメなどを英語の音声&字幕で視聴してみてください。10分〜20分程度の動画が望ましいですが、見つけられない場合は10分〜20分ほどに区切って視聴します。


STEP2: 気になった単語を拾ってメモしていく

音声のみで内容が60〜70%ほど理解できるコンテンツを前提として、字幕無しで視聴している時に知らない単語(どうしても調べないと内容の理解に行き詰まってしまう単語など)や気になった単語があった時に一時停止します。字幕をONにし、その単語をメモしておきます。(流れを止めないために、視聴後にまとめて単語の意味を調べるのがおすすめです


STEP3: ChatGPTを活用してオリジナルのAnkiデッキを作成する

Ankiは様々な点で非常に優れていますが、一つずつ単語を手動で追加していくのは手間と時間がかかりすぎてしまうので、ChatGPTを活用して効率的にAnkiデッキ(単語帳)を作成します。

以下の手順に沿ってデッキを作成します。

  1. パソコン上に常にExcelまたはGoogleスプレッドシートを開いておきます。
  2. シート名に作成日の日付を付けます(例:20240212)。
  3. イマージョン学習中に新しく出会った単語を各行に上から記録していきます。
  4. 単語が約30語に達したら、ChatGPTを開いて以下のプロンプトを指示します。
  5. 「表を作成してください。表の構成は次の通りです:列1:英語の単語、列2:和訳、列3:英語の例文、列4:列3の例文の和訳です。」
  6. その後、シートに集めた30語をプロンプトにコピー&ペーストします。
  7. ChatGPTが数分で表を作成するので、その表を元のシートにコピー&ペーストします。
  8. 内容に不自然な箇所がないか確認します。
  9. 最終確認が完了したら、CSVファイルとしてエクスポートします。
  10. そのCSVファイルを自分のAnkiにインポートします。
  11. インポートが完了したら、同じExcelに新しいシートを追加します。新しいシートの名前は作成日にします。今回の場合は「20240105」とします。
  12. 上記の手順を繰り返します。

※注意: ChatGPTは間違える時があるので、毎日Ankiで勉強する時に「あれ、変だな」と気づいた時はグーグルで確認して手動で訂正を行いましょう(それも勉強になりますので、一石二鳥ですね)


まとめ

長くなりましたが、結局伝えたいことは極めてシンプルです。究極の英単語暗記法は、自分で選んだ英語コンテンツの「インプット」を大量に行い、並行してインプット中に拾った単語を「Anki」で毎日復習して行けば、とんでもないスピードで知っている単語が増えていき、英語の理解力が爆発的に増します。無味無臭な単語の暗記法にうんざりしている人は、ぜひネイティブの生きた英語から拾って覚えていくこの最強の暗記法にトライしてみてください。きっとこれまでとは違う世界が見えてくるはずですよ!


CHADSとは

私たちCHADSは、英語コミュニケーション習得ツールを提供するスタートアップ企業であり、第二言語として英語を習得のために必要な取り組み方を解説したビデオ学習コースや効率的な学習法を提供しています。

私たちのアプローチは、

  • イマージョン(英語のインプット法)
  • アウトプットのキャリブレーション(インプットとアウトプットのバランス)
  • ソーシャルダイナミクス(英語を使ったコミュニケーション法)

の3つの柱に基づいています。

私たちは英語が自分の思い描く生活のための効果的で実用的なツールとなるように、学問の枠を超えて言語を理解することを中心に取り組みます。

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