英語は何から始める?初心者が最初の60日でやるべきこと
2026.07.26読了目安時間:21分
執筆:CHADSくん(CHADS共同創業者・トリリンガル)
最終更新:2026年7月26日
英語を始めたい。あるいは、学校を卒業してから離れていた英語を、今度こそやり直したい。
そう思って検索すると、単語、文法、発音、シャドーイング、オンライン英会話、YouTube、AI英会話など、無数の方法が出てきます。
情報を集めるほど、「結局、何から始めればいいのか」が分からなくなる人も少なくありません。
この状態で必要なのは、新しい勉強法をもう一つ追加することではありません。
英語がどのように習得されるのかを理解し、英語学習について考える時間を、実際の英語を理解する時間へ移すことです。
最初の60日で英語を完成させるのではありません。理解可能なInputを生活へ組み込み、以前は意味を持たなかった英語が少しずつ理解できるようになり、自分で次の優先順位を判断できる状態を目指します。
初心者にとって、この最初の段階は簡単ではありません。
自分が本当に見たい英語コンテンツは難しすぎる。一方、理解できる初心者向けコンテンツは、単純で退屈に感じる。
何を聞いてもほとんど分からず、「こんな状態でInputをして意味があるのか」と不安になります。
さらに、仕事、家事、育児、睡眠がある生活へ、英語のための新しい一時間を毎日追加することも現実的ではありません。
この記事では、その矛盾をごまかしません。
何も理解できない状態から、どのように理解可能なInputへ入るのか。退屈さと難しさの間をどう進むのか。無意識に失っている時間をどう英語へ移すのか。Outputを急ぐ必要があるのか。そして、数字で測りにくい上達をどう確認するのか。
CHADSの考え方に沿って、初心者の最初の60日を整理します。
この記事の要点
- 本気で始めるなら、英語学習法を説明する動画や投稿を探し続けるのを一度やめ、実際の英語へ触れる時間に置き換えます。
- 初心者の中心はFoundationsと理解可能なInputです。短い動画であれば何でもInputになるわけではありません。
- 「面白いが理解不能な英語」と「理解できるが退屈な英語」の間にある、小さな重なりを探し、能力とともに広げます。
- 英語学習を生活の上へ追加するだけでなく、無意識のスクロールや、目的なく消費している時間の一部をInputへ再配分します。
- 完全な初心者へ自由会話を強制する必要はありません。Outputの時期はカレンダーではなく、現在自分の中にある英語によって判断します。
- イマージョンの進歩は毎日測りにくいため、以前難しかった同じコンテンツへ短時間戻り、「前より楽になったか」で確認します。
目次
- この60日で「英語が話せる」と約束する記事ではない
- 最初にやめること:英語学習コンテンツを探し続けない
- 英語学習を追加するのではなく、生活の時間を再配分する
- 初心者が最初に理解すべきこと:英語はInputから習得する
- 何も理解できないのは、悪いスタートではない
- 初心者向けコンテンツが退屈に感じる理由
- 短い動画ではなく、文脈と意味のあるInputを選ぶ
- CHADSが区別する四つのInput
- 開始前:現在地を確認するコンテンツを保存する
- 1〜30日目:英語を意味のない音から、理解できる言語へ変える
- 31〜60日目:理解できる範囲と、楽しめる範囲を広げる
- Inputを生活へ融合させるとはどういうことか
- 初心者はいつからOutputを始めるべきか
- 上達は「以前より楽になったか」で確認する
- 最初の60日で避けたい七つの間違い
- 60日後、次に何を優先するか
- 初心者の英語学習についてよくある質問
- まとめ
- 私たち「CHADS」とは?
この60日で「英語が話せる」と約束する記事ではない
「60日」という数字を見ると、二か月で英語が話せるようになる方法を期待するかもしれません。
この記事は、そのような約束をしません。
完全な初心者が、二か月で映画を字幕なしで理解し、外国人と自由に話せるようになるという説明は、現実的ではありません。
言語習得に必要な時間は、開始時点、利用できる時間、これまでの学習経験、接触する英語、集中度、目的によって大きく変わります。
60日で作るのは、英語力の完成品ではなく仕組み
- 勉強法を検索するたびに計画を変える状態から抜けています。
- 英語を聞くことと、意味を理解しながらInputすることの違いが分かります。
- 現在の自分に難しすぎるコンテンツを、ある程度判断できます。
- 仕事、移動、家事、休憩、娯楽の中に、英語へ触れる時間があります。
- 以前は一つの音の塊だった英語に、単語、表現、意味が少しずつ見えます。
- Outputを今始めるべきか、まだInputを優先すべきかを考えられます。
- 以前より英語が楽になったことを、自分で確認する材料があります。
60日後の目標は、「英語が完成した」と言えることではありません。「英語が以前より意味を持ち始め、次に何をすべきか分かる」と言えることです。
英語の「勉強」と「習得」の違い、CHADSの全体ロードマップを確認する
最初にやめること:英語学習コンテンツを探し続けない
初心者は、何も知らないから情報を集めます。これは自然な行動です。
しかし、ある時点から、英語学習法について学ぶことが、英語そのものから逃げる方法になることがあります。
シャドーイングの効果を説明する動画を見る。次に「シャドーイングは意味がない」という動画を見る。字幕を使うべきか調べる。今度は「字幕を使うと伸びない」という投稿が表示される。文法を先に学ぶべきか、会話を先に始めるべきかを比較する。
一時間が経過しても、英語の物語、会話、情報を理解した時間はほとんどありません。
方法を探すことは、進んでいる感覚を与える
英語学習コンテンツは日本語で理解できるため、気持ちよく消費できます。新しい知識を得た感覚もあります。
一方、初心者向けの英語Inputは難しく、何度も分からない瞬間が起きます。そのため、無意識に「英語を習得する活動」より、「英語習得について知る活動」を選びやすくなります。
学習法を検索することは、学習している感覚を与えます。しかし、実際の英語を意味とともに経験する時間が増えなければ、使える英語は増えません。
これは、今後一切英語学習の記事を読んではいけないという意味ではありません。
必要な全体像を一度理解し、疑問が生まれた時だけ必要な情報へ戻ります。毎日「もっと良い方法があるのではないか」と計画を開き直さないことが重要です。
英語習得の全体像と、自分の優先順位がまだ分からない方へ
ファウンデーションズ re:mixは、学習、Input、Output、Social Dynamicsの役割を一つのロードマップとして整理するコースです。英語教材を増やす前に、「何を、なぜ、いつ行うのか」を判断する基準を作ります。
英語学習を追加するのではなく、生活の時間を再配分する
社会人が英語を始める時、最初にぶつかる問題は時間です。
仕事の前後に家事や育児があり、睡眠と運動も必要です。その生活へ、毎日さらに一時間を追加しても、長く続かない人がいます。
自分で選んだ娯楽と、アルゴリズムへ渡した時間を分ける
映画を見たかったから一本見た。好きなYouTuberの動画を楽しんだ。その時間まで、すべて「無駄」と呼ぶ必要はありません。
一方、目的なくInstagramを開き、何本見たか分からないままReelsを送り続ける。YouTube Shortsを閉じた直後、また開く。寝る前に少しだけ見るつもりが、睡眠時間まで削る。
そのような時間があるなら、平均的なSNS利用時間の統計より、自分のスマートフォンに表示されるスクリーンタイムを確認してください。
削るのではなく、置き換える
すべてのSNSを削除する必要はありません。意図せず失っている時間の一部を、英語のInputへ移します。
一日に四十分の無意識な短動画視聴があるなら、そのうち十五分を、内容を追える英語動画へ置き換えます。昼休みに日本語のおすすめ動画を開く習慣があるなら、事前に決めた英語コンテンツを先に再生します。
イマージョンとは、忙しい生活の上へ英語学習を積み上げることだけではありません。すでにコンテンツを消費している時間の一部を、理解できる英語へ置き換えることです。
忙しい社会人が英語Inputを生活へ入れる考え方を詳しく読む
初心者が最初に理解すべきこと:英語はInputから習得する
英語を使えるようになるには、英語についての説明を知るだけでなく、英語そのものを大量に経験する必要があります。
第二言語習得研究に大きな影響を与えたStephen Krashenは、学習者が意味を理解できる言語へ触れることを、習得の中心に置きました。
CHADSが重視するInputも、単に英語の音が耳へ入ることではありません。
話者が何について話しているのか、物語で何が起きているのか、文章が何を伝えているのかを、映像、文脈、既知の言葉、必要な補助を使いながら理解する活動です。
英語を流しておけば、すべてInputになるわけではない
英語のニュースを一日中流していても、話題も単語もほとんど分からなければ、音と意味の接続は限定されます。
反対に、簡単な英語でも、映像と状況を使って話の流れを追い、同じ語彙や表現へ繰り返し出会えば、英語が意味を持ち始めます。
Foundationsは、Inputへ入るための足場
完全な初心者は、知っている語彙、文法、英語の音が少ないため、文脈だけで意味を推測することが難しくなります。
この時、発音、英語の音とつづり、基礎文法、頻出語彙などのFoundationsが役立ちます。
ただし、Foundationsを完成させるまで、実際の英語を一切聞かないという意味ではありません。学んだ音や単語をInputの中で発見し、Inputで何度も見た構造を後で説明によって整理します。
初心者のFoundationsは、英語を勉強し続けるための待合室ではありません。意味のあるInputへ入れる範囲を広げるための足場です。
理解可能なInputの考え方と、英語インプットの全体像を読む
何も理解できないのは、悪いスタートではない
初心者が英語動画を再生すると、知っている単語さえ聞こえないことがあります。字幕を見れば分かるのに、音声では一つの長い塊に聞こえます。
その状態で、「自分には英語の才能がない」と判断する人がいます。
今の英語がほとんど理解できないなら、これから獲得できる音、語彙、表現、意味が大量に残っていることを確認できたということです。問題は現在地ではなく、現在地に合わない活動を続けることです。
最初に変わるのは、会話力とは限らない
- 英語の中に、知っている単語が一つ聞こえます。
- 文章が終わる位置を感じられます。
- 映像と表情から、話者の感情が分かります。
- 繰り返されるフレーズが、同じ音として認識できます。
- 字幕にある単語と、実際の発音が少しずつ結びつきます。
- 内容の細部は分からなくても、誰が何について話しているか追えます。
これらは派手ではありません。しかし、意味のない音が、言語へ変わり始めている証拠です。
「毎日聞けば、いつか分かる」と信じ、ほぼ何も理解できないコンテンツだけを何百時間も流す必要はありません。難しい英語へ耐えた時間より、英語と意味を結びつけた時間を増やします。
初心者向けコンテンツが退屈に感じる理由
理解可能なInputが大切だと知ると、次の問題が起きます。
初心者が理解できるコンテンツは、語彙が限られ、ゆっくり話され、映像で意味が明確に示されます。そのため、大人の学習者には、幼く、単純で、退屈に感じられることがあります。
一方、自分が本当に見たい映画、ビジネス動画、コメディ、インタビューは、話す速度が速く、背景知識、スラング、省略が多く、ほとんど理解できません。
興味と理解可能性の重なりが、まだ小さい
初心者期が苦しいのは、方法に失敗しているからとは限りません。自分が興味を持てる世界と、現在理解できる英語の範囲が、まだ大きく離れているからです。
では、退屈な教材を数年間我慢するべきでしょうか。それもCHADSの答えではありません。
既に知っているテーマ、好きな人物や分野、映像から状況を理解しやすいもの、同じ世界観が続くシリーズ、一度日本語で内容を知った物語などを使い、理解可能性を保ちながら関心を増やします。
初心者の目標は、理解可能性と楽しさのどちらかを完全に捨てることではありません。今は小さい二つの重なりを見つけ、英語力の成長とともに広げることです。
短い動画ではなく、文脈と意味のあるInputを選ぶ
初心者には「短いコンテンツがよい」と説明されることがあります。
一回の活動を管理しやすい長さにすることには意味があります。しかし、短いことと、理解しやすいことは同じではありません。
Reels、Shorts、TikTokが難しくなる理由
- 視聴者が背景を知っている前提で始まります。
- 最初の数秒で注意を引くため、話す速度と編集が速くなります。
- スラング、冗談、字幕の省略が含まれます。
- 一つの状況が形成される前に動画が終わります。
- 次の動画では、話者、テーマ、アクセント、映像がすべて変わります。
同じ登場人物、同じ場所、同じテーマが続けば、最初に理解した情報が、その後の英語を助けます。
一回の集中時間を短くすることはできます。しかし、使用する素材には、意味を推測できる文脈が必要です。
初心者向けInputとは、再生時間が短いコンテンツではありません。英語と意味を結びつけるための文脈があり、現在の自分が内容へ関われるコンテンツです。
CHADSが区別する四つのInput
「Inputをしてください」と言っても、すべての時間で同じ集中度、同じ素材、同じ目的を持つことはできません。
CHADSでは、生活の中で英語へ触れる方法を、大きく四つに分けて考えます。
| Inputの種類 | 基本的な役割 | 注意点 |
|---|---|---|
| 無意識的な環境作り | 英語が生活の中に存在する状態を作ります。 | 意識が向いていない時間を、中心的な習得時間として数えません。 |
| 受動的なリスニング | 移動、家事、運動中にも、ある程度理解できる英語へ触れます。 | 完全に未知の音声を流すだけでは、意味との接続が弱くなります。 |
| 自由的なアクティブインプット | 内容の流れへ集中し、止まりすぎず、意味を追いながら量を増やします。 | 流れを追えない難易度では、意味中心のInputになりません。 |
| 集中的なアクティブインプット | 字幕、文脈、辞書、反復を使い、理解できる範囲を押し広げます。 | 負荷が高いため、すべてをこの方法にすると継続しにくくなります。 |
初心者が英語を一日中流して、「今日は八時間Inputをした」と数えても、その間ほとんど意味へ注意が向いていなければ、中心的な習得活動は八時間ではありません。
反対に、すべての単語を調べ、十秒進むために二十分使う方法だけを続ければ、疲れてInputの量を増やせません。
通勤中、家事中、昼休み、寝る前に、四種類のInputを何分ずつ、どの難易度で、字幕をどう使って配置するのか。そこまで全部この記事で公開すると、私たちは少し商売が下手すぎます。
冗談は別として、ここが知識と実行の分かれ目です。自分の生活、英語力、集中力、興味へ合わせ、翌日も実行できる形にするには、具体的な設計と調整が必要です。
Inputの考え方は分かるが、毎日何をすればよいか決められない方へ
スパルタ イマージョン re:solveでは、生活、英語力、利用できる時間を棚卸しし、素材の難易度、視聴方法、集中して行うInputと流し聞きを組み合わせ、一か月の実行プランへ落とし込みます。
開始前:現在地を確認するコンテンツを保存する
イマージョンによる変化は、テストの点数のように毎週明確な数字で表示されません。
そのため、始める前に一つか二つ、現在の自分には難しいが、将来理解したいコンテンツを保存してください。
このコンテンツを、最初の60日間ずっと繰り返し勉強する必要はありません。後から比較するための、定点観測用の素材です。
最初に確認すること
- 誰が、何について話しているか分かりますか。
- 話や説明の大きな流れを追えますか。
- 英語が一つの音の塊に聞こえますか。
- 英語字幕があれば理解できますか。
- 日本語字幕がなければ、ほとんど意味を失いますか。
- 話す速度を、非常に速いと感じますか。
- 一分間見るために、どの程度集中力を使いますか。
「ほとんど分からない」でも問題ありません。開始時点を正直に残すための確認です。
同じ内容、同じ話者、同じ速度へ後で短時間戻れば、条件をある程度そろえて比較できます。
1〜30日目:英語を意味のない音から、理解できる言語へ変える
最初の一か月は、英語を長時間流す競争ではありません。
現在の自分が意味を追えるInputを見つけ、Foundationsと接続し、生活の中へ最初の習慣を作る期間です。
1.使う枠組みを固定する
新しい方法を毎日探さず、疑問が出た時だけ必要な情報を確認し、それ以外の時間は実際の英語へ戻ります。
2.Foundationsを、Inputの理解に使う
頻出語彙、基本的な文の形、英語の主要な音とリズムを学び、学んだ要素を実際の英語の中で発見します。
3.集中的なアクティブインプットを使う
字幕、映像、辞書、反復を使い、短い範囲の意味を確認します。ただし、一動画のすべての単語を調べる必要はありません。
4.コンテンツの候補を少数に絞る
同じテーマ、話者、シリーズへ一定期間触れると、前回知った人物、場所、語彙が次のInputを助けます。
5.一日の一部を、Inputへ置き換える
スクリーンタイムで見つけた無意識の時間から、忙しい日にも完全に消えない量を移します。
自由会話を義務にしない
完全な初心者には、自分で取り出せる英語がほとんどありません。無理に自由会話を行うと、日本語から翻訳し、先生やAIに文章を作ってもらう時間になりやすくなります。
最初の30日の成果は、長く話せることではありません。英語の中に意味を見つけ、自分が理解できる難易度を知り、翌日もInputへ戻れる状態を作ることです。
31〜60日目:理解できる範囲と、楽しめる範囲を広げる
二か月目も、中心はFoundationsとInputです。
ただし、一か月目より、自分が意味を追えるコンテンツ、集中できる時間、生活の中で使える場所が見え始めます。
1.集中的なInputと自由的なInputを接続する
難しい部分を確認した後、同じ内容または近い内容を、止まりすぎずに経験します。一度確認した英語が次に自然に出てきた時に認識できれば、学習と習得が接続されます。
2.同じテーマの中で、少しずつ難易度を上げる
同じ料理、スポーツ、仕事、ゲーム、人物、物語世界の中で、少しだけ速い動画、少しだけ長い会話へ進みます。
3.Inputを娯楽の一部へ近づける
一か月目の簡単なコンテンツが退屈になったなら、理解力が上がった可能性があります。難易度を少し上げ、本来の興味へ近い素材を探します。
4.受動的な時間にも、理解できる英語を置く
一度映像で見て意味を理解した内容を、移動中や家事中に音声だけで聞けば、音と意味を再接続できます。
5.Outputを始めるか判断する
二か月目だから必ず話し始めるわけではありません。自分の中にある英語が増え、簡単な意味を取り出せそうなら検討します。まだほとんど理解できないなら、InputとFoundationsを優先することも正しい判断です。
二か月目の成果は、教材を難しくすることではありません。以前は努力しなければ理解できなかった英語の一部を、より少ない負荷で理解し、その余力を新しい英語へ使えるようになることです。
Inputを生活へ融合させるとはどういうことか
Inputを生活へ融合させることは、一日のすべてを英語へ変えることではありません。
重要なのは、異なる生活場面に、適切なInputを置くことです。
| 生活場面 | 考えるべきこと |
|---|---|
| 集中できる静かな時間 | 映像、字幕、辞書を使い、理解の限界を少し押し広げます。 |
| 昼休み・娯楽時間 | 内容を追え、興味を維持できる動画や物語を使います。 |
| 通勤・家事・散歩・運動 | 画面を見なくても理解しやすい、既知の内容や明瞭な音声を使います。 |
| 疲れている時間 | 最も難しい素材を置かず、理解済みの内容、短い再視聴、休息を選びます。 |
同じ英語レベルでも、電車通勤か車通勤か、小さな子どもがいるか、朝と夜のどちらで集中できるかによって、実行できる設計は異なります。
Inputの時間になってからYouTubeを開き、何を見るか検索すると、そのまま日本語動画やShortsへ移ることがあります。次に見る動画、聞く音声、確認する素材を事前に少数だけ用意してください。
また、空いている耳と目をすべて英語で埋める必要はありません。英語を生活の一部にすることと、生活のすべてを英語に支配させることを分けます。
全体像と実行方法を、最初からまとめて整えたい方へ
ファウンデーションズ re:mixで英語習得の全体像と優先順位を理解し、スパルタ イマージョン re:solveで、その知識を自分の生活に合う一か月の実行プランへ変えます。
初心者はいつからOutputを始めるべきか
初心者向けのロードマップでOutputを完全に無視する必要はありません。
しかし、全員に「何日目から話す」と決めることもできません。Outputの価値は、現在自分の中にどれだけ英語があり、どの程度の自由度で使うかによって変わります。
完全な初心者は、自由会話を急がなくてよい
語彙も文の形もほとんどなく、相手の英語を理解できない状態で自由会話を行うと、翻訳、先生やAIが作った英文の読み上げ、同じ自己紹介の反復になりやすくなります。
「初心者」と言っても、開始地点は違う
日本で長年英語を学び、基礎文法と語彙を持っている人が、「会話ができないから初心者」と自分を呼ぶことがあります。その人は、完全な初心者より早く、自由度を限定したOutputを始められる可能性があります。
Outputを検討できるサイン
- レベルに合う英語であれば、全体の意味をある程度追えます。
- 同じ文の形や頻出表現を、複数のInputで認識しています。
- 非常に簡単な内容なら、すべてを翻訳してもらわずに数文作れます。
- 何を言いたかったのに言えなかったかを、自分で認識できます。
- 簡単なフィードバックの意味を理解できます。
初心者だからOutputは禁止、ということではありません。初心者だから初日から自由会話、ということでもありません。現在、自分の中にある英語に合わせて、Outputの自由度を調整します。
英語Outputを始める時期と、Output Calibrationを詳しく読む
上達は「以前より楽になったか」で確認する
イマージョンの難しい点は、進歩を数字で測りにくいことです。
単語テストなら正解数が増え、TOEICならスコアが表示されます。しかし、毎日のInputによる変化を、「今日は1.7%習得した」と表示することはできません。
毎日見ると、変化が見えない
英語が少しずつ聞きやすくなると、その新しい状態にすぐ慣れます。以前の難しさを正確に思い出せなくなり、今も分からない部分だけが目に入ります。
そこで、開始前に保存したコンテンツへ、30日目と60日目に短時間戻ります。一か月間その動画だけを勉強する必要はありません。比較するために、同じ条件へ戻るだけです。
確認するのは、正解数より処理の負荷
- 話者が以前ほど速く感じません。
- 一つの音の塊の中に、単語の境界が聞こえます。
- 知っている単語を、字幕を見る前に認識できます。
- 日本語字幕へ頼る回数が減ります。
- 一度に追える文章や場面が長くなります。
- 同じ長さを見ても、以前ほど疲れません。
- 内容の細部は難しくても、大きな流れを失いません。
すべてが変わっている必要はありません。一つでも「前より少し楽になった」と感じられれば、意味のある変化が起きている可能性があります。
「まだ分からない部分が多い」と「何も進歩していない」は同じではありません。イマージョンの上達は、以前は難しかった英語へ一定期間後に戻り、「前より少し楽になった」と気づくことで見えてきます。
最初の60日で避けたい七つの間違い
間違い1:学習法の動画を見続け、実際の英語をほとんど見ない
必要な全体像を理解した後は、Inputの時間を守ります。
間違い2:短い動画なら初心者向けだと思う
再生時間ではなく、意味を追えるかで判断します。
間違い3:何も理解できない英語を、長時間流した量だけ数える
習得の中心は、英語と意味の接続です。
間違い4:簡単だからという理由だけで、退屈な素材を我慢し続ける
理解可能性を維持しながら、テーマ、形式、話者を変えます。
間違い5:英語学習を、既に満杯の生活へ追加するだけ
まず、スクロールや目的のない消費から置き換えられる時間を探します。
間違い6:カレンダーに従い、準備がなくても自由会話を始める
現在自分の中にある英語と、選ぶOutputの自由度を確認します。
間違い7:毎日成長を感じられないため、方法を変える
30日、60日という間隔で以前のコンテンツへ戻り、処理が楽になったか確認します。
初心者が最初の60日で避けるべき最大の間違いは、英語力が低いことではありません。現在地を無視し、実行するたびに方法を変え、意味を理解できない活動を続けることです。
60日後、次に何を優先するか
60日後は、全員が同じ次のステップへ進むわけではありません。期間より、何が変わり、どこで止まっているかを見ます。
| 60日後の状態 | 次の優先候補 |
|---|---|
| 基本的な英語の意味を作る手がかりが少ない | Foundationsと、非常に理解しやすいInputを継続します。 |
| 簡単な内容なら流れを追える | 理解可能なテーマと時間を広げ、Input量を増やします。 |
| Inputは理解しているが、毎日実行できない | 生活設計、素材準備、Inputタイプの配置を改善します。 |
| 聞けば分かるが、簡単な内容も自分では出ない | Inputを続けながら、適切な自由度のOutputを検討します。 |
60日で一つの段階を卒業する必要はありません。同じInputを、より理解できる状態で続けることも進歩です。
次の計画は、「何日経ったか」ではなく、「何が以前より楽になり、何がまだ最大の障害か」から作ります。
初心者の英語学習についてよくある質問
完全な初心者は、英語を何から始めればよいですか?
発音、基礎文法、頻出語彙などのFoundationsを作りながら、映像や状況を使って意味を理解しやすいInputへ触れます。文法をすべて終えてからInputを始める必要はありません。
ほとんど何も理解できなくても、Inputをする意味はありますか?
何も理解できない素材を流し続けるだけでは、英語と意味の接続が限定されます。素材を簡単にし、既知のテーマ、映像、字幕、反復、Foundationsを使って、内容を理解できる状態へ近づけます。
日本語字幕を使ってもよいですか?
内容がまったく分からない時に、日本語字幕で意味を確認することはできます。ただし、日本語字幕だけを読み続けず、意味を確認した後に英語音声や英語字幕へ注意を戻します。
YouTube ShortsやTikTokでもInputになりますか?
意味を理解し、英語へ注意を向けられるなら接触にはなります。しかし、文脈が少なく、編集が速く、テーマと話者が毎回変わるため、初心者の中心的なInputには向かない場合があります。
毎日どれくらいInputをすべきですか?
全員へ共通する時間はありません。最初は、忙しい日にも消えない時間を作り、スクリーンタイムから置き換えられる範囲を確認します。
同じコンテンツは何回見ればよいですか?
固定された回数はありません。繰り返すことで以前聞こえなかった英語が分かり、関心を維持できるなら価値があります。義務的な反復で注意が失われるなら、別の素材へ移ります。
初心者でもオンライン英会話を始めるべきですか?
完全な初心者へ自由会話を必須にする必要はありません。既に学校英語の知識がある人は、自由度を限定したOutputから始められる場合があります。
60日間で話せるようにならなければ、失敗ですか?
失敗ではありません。この60日で目指すのは流暢さではなく、実際のInputへ時間を移し、理解できる範囲を広げ、生活に続けられる仕組みを作ることです。
Immersion Listening PackageやCHADScastから始めてもよいですか?
二つは、イマージョンの全体像を一から学ぶための商品ではありません。初めてCHADSの方法に触れる方には、まずファウンデーションズ re:mixまたはスパルタ イマージョン re:solveから、自分に合う入口を選ぶことをおすすめします。
まとめ:最初の60日は、英語を生活の外から中へ移す
英語を始めたいのに、何から手をつければよいか分からない時、新しい教材を増やす前に、英語習得の方向を整理してください。
本気で最初の60日へ取り組むなら、英語学習法を説明するコンテンツを探し続ける時間を減らし、その時間を、実際の英語を意味とともに経験するInputへ移します。
完全な初心者であれば、Foundationsによって意味を理解する手がかりを作ります。
自分が本当に見たいコンテンツが難しすぎる時は、興味を捨てるのでも、理解可能性を捨てるのでもありません。今のレベルで二つが重なる小さな場所を見つけ、英語力とともに広げます。
スクリーンタイムを確認し、無意識のスクロールや目的なく消費している時間の一部を英語へ置き換えます。
Outputは、日付だけで始めません。完全な初心者は、まず英語の材料を増やします。既に基本的な英語を持つ人は、現在の能力に合う自由度から始められます。
そして、毎日「成長したか」を問いません。30日、60日という間隔で以前難しかったコンテンツへ短く戻り、速度、単語の境界、字幕への依存、理解の持続時間、疲労が変わったかを観察します。
最初の60日で英語を完成させる必要はありません。以前は意味を持たなかった英語が少しずつ理解でき、そのInputが生活の中で翌日も続き、自分で次の優先順位を判断できるなら、正しいスタートを作れています。
英語習得は、短期間で証明する試験ではありません。自分の生活の中で、理解できる英語の世界を少しずつ広げる活動です。
まだ分からない部分の大きさだけでなく、以前より楽になった部分にも、客観的で優しい目を向けてください。
自分に合うCHADSの入口を確認する
英語習得の全体像と優先順位を整理したい方はファウンデーションズ re:mix。考え方は理解しているが、Inputを生活へ組み込む実行プランがない方はスパルタ イマージョン re:solve。両方を一つの流れで整えるセットもあります。
私たち「CHADS」とは?
CHADSは、英語を試験科目として学ぶのではなく、実際の生活やコミュニケーションで使える言語として習得するためのデジタルプログラムを提供しています。
私たちは、第二言語習得研究と、複数言語を身につけてきた実践経験を、日本人の成人学習者が理解し、生活の中で実行できる形へ整理しています。
CHADSが提供しているのは、「60日で流暢になる」という秘密の近道ではありません。
- Foundations:発音、基礎文法、頻出語彙など、英語を理解するための土台を作ります。
- Input:自分のレベルに合った英語へ継続的に触れ、意味、音、文法、使用文脈を獲得します。
- Output Calibration:理解できる英語を取り出し、試し、修正し、必要な瞬間に使える状態へ調整します。
- Social Dynamics:英語を使って人と関係を作り、文化、感情、距離感、会話の流れを含めてコミュニケーションを成立させます。
無料の記事とCHADSプログラムの違い
この記事では、初心者の最初の60日に必要な方向性、Inputを中心に置く理由、四つのInputの役割、生活時間の再配分、Outputを検討する考え方、進歩を確認する方法を公開しました。
一方、実行段階では、コンテンツの難易度、四種類のInputの配分、字幕の使い方、集中度の判断、生活への配置、反復の判断、Outputへ進む時期を、自分の英語力と生活へ合わせる必要があります。
記事が「何を目指し、なぜ行うのか」を理解するためのものであるのに対し、プログラムは「自分の場合、今日から何を、いつ、どのように行うのか」を実行するためのものです。
この記事の理論的背景として参考にした主な文献
- Stephen D. Krashen, Principles and Practice in Second Language Acquisition, 1982.
- Paul Nation, “The Four Strands,” Innovation in Language Learning and Teaching, 2007.
- Stuart Webb and Paul Nation, How Vocabulary Is Learned, Oxford University Press, 2017.
- Merrill Swain, “Communicative Competence: Some Roles of Comprehensible Input and Comprehensible Output in Its Development,” 1985.
- Merrill Swain, “Three Functions of Output in Second Language Learning,” 1995.
本記事で用いた四種類のInput、60日間の二段階構成、定点観測の考え方は、第二言語習得研究とCHADSの学習・指導経験を、日本人の成人学習者が実践しやすい形へ整理したものです。特定の研究者が、同じ名称と60日間の順番で提唱した単一理論ではありません。
次に、自分に合うCHADS商品を確認する
4つの商品と人気セットを、目的・内容・価格から比較できます。